6月4日 コロナに思う3

安倍総理が緊急事態宣言を解除したときの言葉の中に,市中感染のリスクを引き下げて,第2波を避けるために

「感染者をできるだけ早期に発見するクラスター対策を一層強化することが必要です。その鍵は,接触確認アプリの導入です。スマートフォンの通信機能により,陽性が判明した人と一定時間近くにいたことが判明した方々,すなわち濃厚接触の可能性が高い皆さんに自動的に通知することで,早期の対策につなげるアプリです。」

「我が国では,個人情報は全く取得しない,安心して使えるアプリを,来月中旬をめどに導入する予定です。どうか多くの皆さんに御活用いただきたいと思います。」とありました。

 

これを聞いて,韓国のコロナ対策が思い浮かびました。

韓国では,「住民登録番号制度」により,すべての国民に固有の番号がついています。

この制度は,1968年に始まったのですが,北朝鮮による大統領暗殺未遂が発生したことから,スパイ行為を防止する目的でスタートしました。

今では,納税,年金,医療,金融,兵役,教育など,あらゆる事柄が紐づけられています。ですから,誰がどこへ行ったかを調べることができ,コロナ対策でも,それを利用して感染者の導線を詳しく発表しました。

韓国国民は,非常事態においては,プライバシーの侵害も止むを得ないと大きな問題にはならなかったようです。

 

しかし,日本では,個人情報を国が握ることに対して,強いアレルギーがあります。日本も「マイナンバー制度」が2015年導入,翌年から運用が始まりましたが,その利用分野は少なく,主に「社会保障」「税金」「災害対策」の3つに関連するときでした。各種サービスの公的個人認証の手段として,少しずつマイナンバーカードが普及してきましたが,日常生活における必要性は乏しく,カード取得率が低いともいわれています。

 

国の個人情報の管理・使用権限に対する私たちの人権,この二律背反にどんな答えを用意すればよいのでしょうか。