6月24日(水) 蛍1

夏の風物詩のひとつに「蛍狩り」があります。昔から夏の夜にみられる蛍のひかりを愛でてきました。

 

平安時代中期の歌人,清少納言が書いた「春はあけぼの…」で始まる枕草子には,「夏は夜。月のころはさらなり,闇もなほ,ほたるの多く飛びちがひたる。また,ただ一つ二つなど,ほのかにうち光りて行くもをかし。雨など降るもをかし」とあります。

(夏は夜が良い。月が明るい満月の頃は言うまでもなく,月が出ていない新月の闇夜であっても,蛍が多く飛び交っているその様子も良い。また,ただ一匹二匹と,ほのかに光って飛んでいくのも趣きがある。雨などが降るのも趣きがあって良い。)という意味です。

 

清少納言が過ごした平安時代の夜,月夜もよし。月明りがなくても,蛍の舞が幻想的で美しく,雨の夜はその雨音に感傷的になっていたのでしょうか。

女性としての感性が,四季の移り変わりを豊かにとらえ,日本の自然の美しさや人の心情の「おかし」を表現しています。

 

ホタルを観賞すること「ホタル狩り」といい,ゲンジボタルが中心です。

ゲンジボタルは九州などでは5月中旬から見られ,北日本では6月上旬~7月上旬に飛び始め,6月中旬~7月中旬に出現ピークを迎える見通しです。

 

名古屋市内ではヒメボタルが見られますが,そのスポットは,名古屋城の南側,愛知縣護国神社近くのお堀です。5月下旬から6月初旬が見どころで,淡い光が観察できます。

天白区の相生山緑地「オアシスの森」も,5月中旬から飛び交うそうです。

ともに出現時間帯は,夜11時くらいからです。

他に,守山区の小幡緑地「ホタルの里」では,今年はコロナのため中止になりましたが,6月に入るとホタル観賞イベントがあり,夜7時から閉門の930分まで鑑賞できますよ。

 

名古屋でのホタル狩りの時期は過ぎてしまいましたが,来年は見る機会があるといいですね。