8月27日(木) 熱中症2

 昨日,暑さ指数について説明しましたが,この値が28℃を超えると熱中症の発生率はぐっと上がります。今日は熱中症のことを話していきますね。

 

 子どもの頃,よく「日射病」という言葉を耳にしました。夏の暑い日に直射日光でめまいや頭痛などを起こす症状で,倒れてしまうこともありました。このような症状は直射日光だけではなく,屋外・室内問わず高温・多湿などにより,体温調節機能が低下して,体内に熱が溜まってしまうことが原因で引き起こされることから,総称して熱中症と呼ばれています。

 

 炎天下での長時間の作業や運動が危険であるばかりでなく,高齢者の方が蒸し暑い夜にエアコンをつけずに寝ていて熱中症にかかることもニュースで聞いたことがありますよね。

 

 熱中症は,その重症度からⅠ度からⅢ度の3つに分類されています。

 

 Ⅰ度は軽症で,熱けいれんや熱失神を発生します。私たちは発汗することで体温を下げていますが,汗を出すことで水分だけでなく塩分(ナトリウム)も失っていて,これが筋肉のけいれんを引き起こす原因で「熱けいれん」と呼ばれます。また,体温が上がると,体全体に血流が増え,脳に十分な血液が送られず酸欠状態になって,意識を失う症状が「熱失神」です。

 Ⅱ度は中等症で,発汗によって脱水症状が続くと,めまい・頭痛・吐き気・倦怠感にみまわれ,「熱疲労」を発生します。

 Ⅲ度は重症で,さらに体温が上がり体温調節が追いつかなくなると,脳機能障害が起こり救命医療を要するレベル,「熱射病」となります。

 

 もし,おかしいなと感じたら無理をせず,涼しい場所へ避難すること,経口補水液など水分・塩分を補給すること。勿論,自分以外の熱中症が疑われる人に対しても同じように対処してくださいね。症状が重いようなら,衣服をゆるめ濡らしたタオルをあて風を送り,体を冷やす。もし,意識がなかったり,危ないと感じたらすぐに救急車を呼んでください。

 

 重度の熱中症になった場合,回復しても後遺症が残る例もあり,結構怖い病気なんですよ。