昨日,台風の話をしましたが,まだまだ続きがあります。例えば,台風には名前がそれぞれつけられていること,知っていますか?
今回の台風10号には「ハイシェン」というアジア名がつけられています。
現在の日本では台風の名前に番号方式を使って,その年に発生した順番に,台風○号と呼んでいますが,1946年までは,甚大な被害をもたらした台風のみ「室戸台風」とか,「枕崎台風」というように,個別の名前がつけられていました。(今でも,顕著な災害を起こした台風には,後世への伝承のために,気象庁は名前を定めています。)
しかし,アメリカではハリケーンに女性の名前をつけることで,それぞれを区別して人の記憶に残すリスト方式を用いていました。1979年以降は,男女平等の考えから男性と女性の名前を交互につけています。
ちなみに,2005年にアメリカを襲った超有名なハリケーン・カトリーナは女性名です。
日本は,アメリカの統治下におかれた時期から,このアメリカ方式が使われるようになりました。1947年から1953年5月までのことです。それ以後の台風については女性名を国際的な報道のみに利用し,国内向け台風情報には番号方式を使うようになりました。
北西太平洋で発生した台風の名前は,1999年までアメリカの人名方式が使われていました。しかし,日本を始めアジアの人々にとって馴染みのある呼び名を付けようと,アジア・太平洋14の国や地域の気象機関で構成する台風委員会で140個の名前リストをつくり,2000年からすべての台風にアジア名というものがつけられています。
日本のニュースでは,まだ一般の人が聞き慣れないこと,読むと時間がかかることから,アジア名は使っていませんが,この後,台風11号が発生すれば名前は「Noul(ノウル)」,北朝鮮が提案した名前で,「夕焼け」を意味するんですよ。