台風情報で,進路予想の図を目にしますが,台風の中心を示す×印のまわりに赤色の円,さらにその外側に黄色の円が描かれています。この赤色の円は,25m/s以上の暴風域,黄色の円は15m/sの強風域の範囲を表しています。
気象衛星からの画像を見ると,台風の中心に風が吹き込んで,発達していくのが分かりますが,この渦の巻き方は北半球では反時計回りになります。
台風の中心に流れ込む風つまり空気は,地球の自転によって,「コリオリの力」が作用します。これは,北半球では運動方向に対して右向きに作用する力のことです。「コリオリの力」によって,中心に流れ込もうとする空気は右へ逃げようとしますが,気圧差で引きずりこまれていく動きが左巻きの渦の正体でした。
そして,台風の渦の左右で,風の強さは違います。台風の進む方向の右側ほど風速は強くなるんですよ。これは,右側で台風の進行方向と風が吹き込んでいく方向が重なるため,打ち消し合う左側より勢力が強くなるからです。つまり,台風の進む右側ほど被害が大きくなりますから,台風のニュースでは,予想進路図に注目してくださいね。
ところで,日本では台風と呼びますが,海外ではタイフーンやハリケーン,サイクロンと言ったりします。その違いは発生した海域によるものです。タイフーンなら北西太平洋・南シナ海,ハリケーンなら北東太平洋・北大西洋,サイクロンならインド洋・南太平洋です。
この3つとも国際分類で風速33m/s以上の熱帯低気圧のことを言います。日本の台風は,風速が17m/s以上のものですから,海外でいうタイフーンとは規模が異なる訳です。
台風の発生は年平均で約26個,実際に上陸する台風は約3個ですが,上陸しなくてもこの時期に出現する秋雨前線が台風に刺激されてると,大雨になることがあります。今後,秋雨前線にも注意が必要となりますね。