9月25日(金) 内閣総理大臣8

さて,先週から安倍政権について振り返ってきましたが,今日で最後になります。

今日は,「働き方改革」の話です。

 

安倍政権は,2013年に策定した「日本再興戦略」を翌年改訂し,その中で,少子高齢化が進む日本が成長するためには,労働力人口を維持し,労働生産性を上げることが課題であり,そのためには「女性の更なる活躍促進」と「働き方改革」の必要性を挙げています。

 

その流れの中で,20154月,労働基準法等改正案を国会に提出しましたが,裁量労働制の見直しや高度プロフェッショナル制度創設が含まれていて,これが長時間労働・サービス残業につながると批判を浴び,一度も審議されないまま,20179月衆議院解散により廃案となってしまいました。

 

2016年9月に立ち上げた働き方改革実現会議でまとめた内容を20184月,働き方改革関連法案として国会に提出しました。その中には,再び高度プロフェッショナル制度と裁量労働制の対象拡大が入っていて,特に裁量労働制については,安倍総理の答弁に使われた厚労省のデータに不備があることが判明し,法案から削除されましたが,6月に可決・成立しました。

 

この法律は,「労働者にとっての働きやすさ」を目的としていて,そのポイントは,「残業時間の罰則付き上限の規制」「年5日間の年次有給休暇の確実な取得」「同一労働同一賃金の制度適用」の3点だと思います。

 

2019年4月から順次施行されていますが,これらを導入していくことは,簡単なことではありません。日本の経営者は長時間労働に頼ってきた体質の改善,労働者は働き方に対する意識改革が必要なんだと思います。

本当に実効性の伴う改革になるかどうかは,私たちのこれからの取り組み次第です。