明日は11月3日，文化の日です。この日は「自由と平和を愛し，文化をすすめる」ことを趣旨とした国民の祝日ですが，皆さんは，文化の日の由来を知っていますか？

今日は，11月3日という特別な日について，紹介します。

 

日本は，明治5年(1872年)12月2日までは，旧暦を使っていて，9月22日は明治天皇の誕生日で，国家の祝日でした。明治5年12月3日を明治6年(1873)1月1日と新暦に改めことで，明治天皇の誕生日は11月3日となりました。当時は，天皇誕生日ではなくて，「天長節」と呼び，お祝いをしていました。

 

大正時代に入ると，普通の日になってしまった11月3日を祝日にしたいという運動が起こります。1920年，ちょうど100年前の11月1日には明治天皇・皇后を祭神(さいじん)とした明治神宮が創建され，11月3日が例祭日となりました。

その後も度々，帝国議会に祝日にする嘆願書が出され，昭和2年(1927年)3月4日，「休日ニ関スル件改正ノ件」が公布されて，11月3日を「明治天皇の聖徳を仰ぎ，明治時代を思い返す日」として「明治節」という国家の祝日となりました。

 

太平洋戦争後の日本は、GHQ占領下，昭和21年(1946年)11月3日に新憲法が公布され，翌年5月3日に施行されました。11月3日が憲法記念日にならなかったのは，日本が再び過ちを起こさないように，天皇と憲法を切り離すことをGHQが強く主張したためだと言われています。

 

昭和23年(1948年)7月20日，新しく「国民の祝日に関する法律」が公布・施行され，5月3日を「憲法記念日」とし，11月3日は「自由と平和とを愛する文化国家」を目指した日本国憲法の公布日であることから，「文化の日」として国民の休日となっています。

 

11月3日は，明治時代から「天長節」「明治節」「文化の日」と呼び方を変え，現在に至っているのですね。

ちなみに，文化の日には皇居で「文化勲章」の親授式，4日に都内ホテルで「文化功労者」顕彰式が行われ，文化の発展や向上に顕著な功績のあった人たちを讃えています。