11月4日(水) 大阪都構想

アメリカ大統領選挙は現地時間の3日,州によって時間は異なりますが,締め切られました。日本時間でいうと,今日の午前中です。郵便投票も多く,投票の集計には州によって違うため,開票結果がはっきりするのにかなり時間がかかるのではと予想されています。

投票といえば,日本でも1日に大阪市で住民投票が行われましたね。

これは「大阪市を廃止し特別区を設置することについての投票」のことで,結果は約17000票差で否決されました。結構,この住民投票には関心があったので,どんなものだったのか伝えておきたいと思います。

 

内容は,地域政党「大阪維新の会」の政策の大本命である「大阪都構想」実現の賛否を問うもので,20155月にも行われていて2回目の住民投票でした。

この大阪都構想は,簡単にいうと「大阪市をなくし4つの特別区を作って,広域行政を大阪府が担い,身近な基礎行政を特別区が担当する」というものでした。基本的には東京23区と同じような仕組みにすることで,都区制度に移行して,大阪府と大阪市の二重行政の一本化を目指したわけです。

 

メリットは,特別区にすると区長は住民による選挙で選ばれ,自治能力が高くなって,区毎にニーズにあった住民サービスができると考えられることです。何より二重行政による無駄なコストが減り,政策もスピード感をもって実現でき,大阪の成長に繋がるとされていました。

 

しかし,反対派は現在の吉村知事と松井市長はともに大阪維新の会に所属していて,2人の連携で,すでに二重行政は解消されていると指摘していました。また,4つの特別区にすることで,逆に財源が減って住民サービスが低下すると訴えていました。そして,1026日「4分割すると毎年218億円コスト増」の報道があり,拮抗していた状況で賛成派にとっては痛手となってしまいました。29日には数字を試算した市財務局の局長から「捏造であった」と会見が行われたのですが,市職員が既得権を守るための行為と思っています。

 

否決という結果には,色々な要因があるのでしょうが,一番の理由は日本人の変化を好まない,現状維持で大きな問題がなければ,改革に対して抵抗感を持ってしまうという部分が大きく表れたのだと思います。ただ,将来も現状を維持したいなら,何もしないという選択肢は通用しません。将来の日本自体が変化していくのですから。