11月5日(木) 立皇嗣の礼

11月8日に「立皇嗣の礼(りっこうしのれい)」が,皇居宮殿の正殿「松の間」で行われます。

 

昨年51日,徳仁(なるひと)皇太子殿下が,第126代天皇に即位するとともに,弟である秋篠宮文仁(あきしののみや ふみひと)親王が皇嗣になりました。

 

皇嗣とは,皇位継承順位第1位の皇族を指す呼称で,現行の皇室典範(てんぱん)では,皇嗣のうち在位中の天皇の第一皇男子である方には皇太子の称号を使うのですが,天皇陛下の弟にあたる秋篠宮文仁親王は,「皇嗣殿下」とお呼びすることになります。

 

さて,この立皇嗣の礼は,宮文仁親王が皇嗣となられたことを国内外に宣言する儀式で,当初は419日に実施する予定でしたが,コロナ感染拡大のため緊急事態宣言が発出されたことを受け,延期されていました。

皇太子の場合は,「立太子(りったいし)の礼」という儀式になります。

 

今回,参列者は菅総理をはじめ50人程度になる見通しで,午前11時から「立皇嗣宣明(せんめい)の儀」,午後4時から文仁親王が天皇・皇后に挨拶する「朝見(ちょうけん)の儀」を行います。また,皇位を象徴する「草薙剣」を模して,皇嗣に相伝される護り刀「壺切御剣(つぼきりのみつるぎ)」を親授されるそうです。

 

「立皇嗣の礼」は天皇の代替わりに伴う皇室行事で最後の儀式になりますが,2017年「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」が国会で成立した際,付帯決議で,安定的な皇位継承策を検討し,速やかに報告するよう政府に求めています。

 

現在の皇位継承者は順に,秋篠宮文仁親王,その長男・悠仁(ひさひと)親王,上皇さまの弟の常陸宮正仁親王(ひたちのみや まさひと)3人しかいません。これは,皇室典範に「皇位は,皇統に属する男系の男子が,これを継承する。」とあるからです。

 

少子化の現状で,将来,皇位継承資格のある男子が産まれるかという心配,海外の王位継承権の多くが,男女平等であることなどを踏まえ,象徴天皇制を継承していくためには,女性皇族が結婚後も皇室に残る「女性宮家」や女性天皇・女系天皇ついて考えていく必要があります。勿論,長い歴史の中で続いてきた男系継承の重みを認識したうえで,国民の理解を得なければならないことは言うまでもありません。