皆さんは「はやぶさ2」の話題を知っていますか。2日前の12月6日午前2時28分頃,日本の探査機「はやぶさ2」が,小惑星「リュウグウ」から宝物の入ったカプセルを持ち帰りました。カプセルは,オーストラリア南部の砂漠地帯で無事回収し,今日にも日本に届けられるそうです。
今回の探査ですごいところは,世界で初めて小惑星内部の岩石の採取に成功したとみられることです。それには,「インパクタ」という秘密兵器があって,金属製の球を高速で発射し地表に人工クレーターを作って,そこにタッチダウンして,内部の物質を採取しました。
前回の「はやぶさ」初号機では,小惑星「イトカワ」から800を超える微粒子を持ち帰り,小惑星からの「サンプルリターン」に世界で初めて成功した例になりました。
このように,小惑星探査は世界をリードする日本の技術のひとつとなっているのですが,アメリカ航空宇宙局NASAによるアポロ計画により,月面に人が降り立ったころ,日本の宇宙開発技術は人工衛星を打ち上げるのがやっとという時代でした。
アポロ計画というのは1961年~1972年にかけて実施された有人月面着陸計画のことで,1969年7月20日,アポロ11号でアームストロングが人類で初めて月面に降り立った人物です。
そこで,遅れをとっていた日本の宇宙航空研究開発機構 JAXA(ジャクサ)が目をつけたのが,小惑星探査で探査機を着陸させ,表面の物質を持ち帰る「サンプルリターン」の計画でした。1980年代から検討が始まり,太陽系誕生の過程を探ることを目的に,2003年5月,「はやぶさ」初号機が「イトカワ」を目指して打ち上げられ,10年前の2010年6月,カプセルを持ち帰りました。
そして,機体に改良が加えられた「はやぶさ2」が,初号機に続き,生命の起源となる水や有機物の存在を調査することを掲げて2014年12月に「リュウグウ」へと飛び立ったのです。
この続きは,また明日…