1月20日(水)初詣1

 皆さんは,お正月に初詣にでかけましたか。コロナの影響で密を避け,分散して参拝して欲しいと年末に報道がありましたが,年始から感染拡大が叫ばれて,外出自粛,緊急事態宣言と続き,初詣に行きたくてもまだ行ってないという人もたくさんいるんじゃないかと思います。

 普段お参りしない神社へ脚をのばして,初詣をすると「新年を迎えたんだな~」と新鮮な気分になって,「良い年になりますように」と自然に思えてきます。そして何となくですが,やる気が芽生えてくる感覚が入ってきて,寒さもあってか身が引き締まる、程よい緊張感をまとうことができます。でも,家の中に戻れば,すぐにグウタラな自分になってしまうのですが…

 

 では,この初詣の起源とはどんなものかを紹介します。

 今では,初詣といえば,年が明けて初めて,お寺や神社へお参りすることを指しますが,その由来は平安時代からある「年籠り(としごもり)」という風習から来ていると言われています。

 

 「年籠り」とは,大晦日の夜から元旦の朝にかけて,家長がその土地の氏神様を祀った神社に泊まり込み,夜通しその年の豊作や家内安全などを祈願するという風習です。

 当時,1日の終わりと始まりは日没が境目と考えられていましたから,大晦日の夜が年明けだったわけです。

 やがて,時間の考え方が浸透すると,「年籠り」は大晦日の夜にお参りをする「除夜詣」と,元旦の朝にお参りをする「元日詣」の2つに分かれます。そして,江戸時代までは元日詣を「恵方詣」とも呼び,その年の恵方の方角にあるお寺や神社を参拝していました。

 

 その後,時代の流れとともに簡略化され元日のお参りだけが残り,明治時代に鉄道が整備されると,氏神様や恵方にこだわらずに好きなお寺や神社にお参りに行くようになりました。

 明治18年,初めて「初詣」という言葉が新聞に登場してから,大正時代以後はこの言葉が主に使われるようになったと言われています。

 

 「年籠り」を由来とすることから,本来の「初詣」は,大晦日と新年の2回参詣(さんけい)する「二年参り」です。ですから、除夜の鐘とともに,年をまたいで参拝するやり方が正式だったんですね。