昨日は「赤」という言葉の話をしました。今日は,赤と同じくらいよく使われる「青」という言葉について話してみます。
赤が太陽をイメージするのに対して,青は?というと皆さん何を想像しますか?
多分,青い空,青い海と答えが返ってくるんじゃないでしょうか。
青には,開放感,信頼,誠実,知性などポジティブなイメージがある反面,ネガティブイメージとしては,不安,悲しみ,寂しさなどが挙げられます。
例えば,結婚前に不安な気持ちが高まって,気分が落ち込んでしまうことを「マリッジブルー」といいますが,英語“blue”には青という色以外に,憂鬱といった意味でも使われていますね。
そう言えば,「青の時代」なんていう言葉もあります。かの有名な画家ピカソが,青色を主体とした作品を発表した時期があって,それがこの言葉の出処なんですが,親友が自殺したことで受けた悲しみや苦悩,絶望といった負のイメージが作品に表現されています。
今では「青の時代」という言葉は,孤独で不安な青春時代を表すのに使われるようになっています。
他には,「若い」とか「未熟の」という意味を表す場合もあります。「君はまだまだ青いな」といった言い回しを聞いたことがあると思います。さきほどの青春時代の青春もそのひとつですね。
この言葉は,中国の陰陽五行説に由来しています。五行にはそれぞれ方角,季節,色など様々なものがつながっていて,「春」を示す色が青であったことから,人生を四季に例えて「青春」という言葉が生まれました。ちょうど10代~20代の若い年代を指しています。
ちなみに,青くて未熟な「青春」の次が「朱夏」,「白秋(はくしゅう)」「玄冬(げんとう)」と人生の四季は巡ります。「朱夏」は熱く燃える壮年期,人生の実りを実感する熟年期が「白秋」,最後に老年期の「玄冬」といったところでしょうか。どの時期が何歳かは人それぞれですが,私の四季は今,「白秋」なんだなと,しみじみ感じています。
次回は,緑の葉っぱなのに青葉という日本語の不思議について話したいと思います。