昨日は,初詣の由来について話しましたが,初詣に限らず,神社やお寺を参拝するのは,日本の伝統的な風習です。日本人ならお参りの正しい作法くらい知っておかないと,ご利益がありませんし,無作法を見られるのは,ちょっと格好悪いですよね。
今日はそんな人のために,お参りの作法について紹介します。
まず,お参りは神社でもお寺でもどちらでも問題ありません。明治元年に「神仏分離令」が出されて神社とお寺が区別されるようになったのですが,それまでは「神仏習合」といって,日本古来の神様を祀る神道と,外からやってきた仏教が互いに影響しあい,融合して人々に受け入られていました。神様とか仏様とか庶民には関係なく信仰されていたんですね。
では,参拝の仕方はというと,神社とお寺では違いがあります。
まず,神社の作法は,鳥居の手前で一礼,境内を進むときは端を歩いてください。
手水舎(ちょうずしゃ)で手と口を清めます。このときの所作は,柄杓(ひしゃく)に汲んだ1杯の水で最後まで行います。柄杓の水で左手,右手の順に清めたら,左の手のひらに水を溜め,その水で口をすすぎます。すすいだ水を左手で受け,下に落としたら,再び左手を清めます。最後に残った水で柄杓を両手で立てて,柄を清め,柄杓を裏返しにして元の位置にもどすのが,正しいやり方です。結構,面倒な作法ですね。
本殿では,お賽銭を静かに入れてから鈴を鳴らします。その後,二礼二拍手,お祈りをしてから一礼です。宮司さんのお辞儀はすごいですよ。本当に腰を直角に折ってお辞儀をして,これはかなりの業物で,とても真似できないくらい奇麗です。
鳥居を出るときも,境内の方を向いて一礼してから出る,こんな感じです。
お寺での参拝は,山門で一礼して入るとき,敷居はまたいでください。
手水舎で神社と同じように手と口を清めます。本堂では,一礼してからお賽銭を入れ,鳴らし物があれば1回打ちます。次に合掌してお祈りをしたら,一礼して終了です。
いかがでしたか。手水で口を清めるとき,直接,柄杓に口をつけたり,お寺で拍手(かしわで)を打ったりする人はいないと思いますが,とても恥ずかしいことなので,くれぐれも注意してくださいね。