2月25日(木)赤という言葉

 今日は,色を使った表現について紹介します。色を使った表現はたくさんありますが,まずは「赤」です。赤という言葉で一番に頭に浮かぶのは,赤色,色の名前ですね。

 あなたは赤に対して,どんなイメージを持っていますか。

 

 太陽の絵を描くとき,皆さんはきっと赤い色をつけるでしょう。それは,太陽がもつ強さ,生命力を連想する色だからで,赤は熱くアクティブな感覚を持つからではないでしょうか。実際,視覚的にも目を引く色ですね。ですから,注目を促す色として使われ,赤信号などはその代表例です。

 

 では,「赤ちゃん」の赤にはどんな意味があるのか分かりますか。

 新しい命というところでは,エネルギーを感じるため赤が使われたのかもしれませんが,赤ちゃんのイメージは,穏やか・安らぎですから,ちょっと違う感じがします。

 生まれたばかりの赤ちゃんは,皮膚がうすく,赤血球の数も多いため,赤黒く見えるから「赤ちゃん」と呼ばれるようになった。確かにそうですが,ずいぶん安直ですよね,

 それに,時間がたてば,色は落ち着いてきて赤くもないのに,赤ちゃんになってしまいます。

 

 実は,「赤」という言葉の語源は「明るい」で,そこから「明らかな」,「全くの」,「純粋な」,「穢れていない」という色とは関係のない意味で使われることがあります。ですから,生まれたばかりで,穢れのない純粋な様から,赤ちゃんと呼ばれるようになったと言われています。

 「赤の他人」「真っ赤な嘘」なども,「明らかな」「全くの」他人・嘘という意味になりますね。

 

 他にも,収支がマイナスのときに使う「赤字」とか落第点のことを「赤点」というように,そのものが赤い色をしているわけではなく,赤をつけてそのことを表す言葉もあります。

 これも,明らかなことを強調するために用いられたようですね。

 

 ところで,真っ赤な嘘を英語で言うと,「downright lie」など色々な言い方があるようですが,白い嘘「「white lie」という言葉があって,「悪意のないウソ」という意味で,相手を傷つけないためにつく「優しいウソ」を表現するときに使うそうですよ。