昨日は「梅雨入り」の話をしましたが,よく似た言葉に「入梅(にゅうばい)」があります。
入梅は暦の上であらかじめ日付が決まっていて,今年は6月10日でした。
この入梅は,雑節(ざっせつ)のひとつです。
日本には,いろいろな呼び方で季節の移り変わりや節目を表す方法があります。
春夏秋冬の四季をさらに細かく分けて1年を24等分した二十四節気(にじゅうしせっき)や季節の節目の五節句は,中国から伝わってきたものです。
立春,春分とか,端午の節句とかは聞き覚えがありますよね。
それ以外に,日本独自の季節の目安が雑節です。
入梅は立春から135日目の日で,江戸時代,農家にとって田植えの日を決める上でも,梅雨の時期を知ることはとても重要なことでした。お米は主要な税収源。ですから梅雨がいつ来るかを把握するために,暦の上で「入梅」が設けられ、雑節のひとつとなりました。
気象情報がまだ発達していなかった時代,生活の知恵から生まれたものなんですよ。
ところで,梅雨や入梅には「梅」という字が使われています。その理由には諸説ありますが,一番明快なのは,梅の実が熟す時期だからという説です。
梅に含まれているクエン酸は,疲労回復効果や殺菌作用があると言われていて,昔から梅干しや梅酒を作って,病気の予防や健康増進に用いられてきました。
熱中症など、体調も不安定になりがちなこの季節,梅干しを食べなさいとは言いませんが,バランスの良い食事や十分な睡眠をとって免疫力を高めてください。