夏至が「1年で最も昼の時間が長い日」ですから,夜が最も短い日でもありますね。
日本には,季節の情景を表す言葉があり,夏の短い夜のことを「短夜(みじかよ)」といって昔の人は夏の夜に親しんでいました。風情のある言葉ですよね。
今でも,この時期に蛍狩りをしたり,夏至の夜にキャンドルナイトというイベントに参加する人もいます。
キャンドルナイトは2003年から始まったイベントで,夏至と冬至の夜8時から10時の2時間、 みんなで一斉に電気を消して,ロウソクのひかりでゆっくりと過ごす時間としましょうというものです。
この「電気を消してスローな夜を」を合言葉にしたイベントは,「100万人のキャンドルナイト」と呼ばれ,世界各地でさまざまな人がキャンドルナイトを楽しんでいます。
「夏至」の日と「冬至」の日を選んだ理由は,国を超え地球にいれば誰にでもやってくる日に
世界のたくさんの人たちが参加できますようにと願ったからです。
慌ただしい日常の喧噪から離れ,キャンドルを灯して,特別な空間に身をおき,いつもよりもゆっくり流れるときの中で、あなたは何を感じるのでしょう。
例えば,スマホの電源を切り,ひとりで灯りを見ながら,想いを巡らせる。誰かと何かを語り合う。キャンドルの灯りでご飯を食べる。思い思いに過ごす私たちに特別な時間をもたらせてくれます。
大々的なイベント開催の呼びかけは、2012年で終了していますが、その後も日本国内の各地、世界のさまざまな場所で自発的に行われ多様化しています。夏至の夜だけでなく,こんな夜がたまにはあってもいいなと思います。