皆さんは,お店などの広告でもう知っていると思いますが,7月1日からすべてのお店でレジ袋が有料となります。これまでも前倒しで,スーパーなどでレジ袋が有料となっていて,買い物をするとき,エコバッグを持っていく姿が見られます。今週は,このレジ袋にまつわる話をしていきます。
レジ袋の正式名称は「プラスチック製買物袋」で,家に持ち帰ったあとは,ちよっとしたゴミ袋に使ったりしていますね。プラスチックは,安価で加工しやすい,軽い,密閉性があるなど,とても便利な素材で,私たちの生活の中に浸透しています。そのために,日本では国民ひとりにつき1日1枚を使い,ひとり当たりのプラスチックの容器や包装のごみの量が世界2位というデータがあります。
このプラスチックごみは回収され,リサイクルされたり,埋め立てられたり,焼却処分されたりしています。しかし,中にはポイ捨てされたものが,雨や風によって海に流れ出て,海の環境を破壊し,海の生物に影響を与えています。
例えば,漂流しているビニール袋を食べてたり,プラスチック製の糸などがからんで傷つき,死んでしまう報告が数多くあります。一般的に使用されているプラスチックは生分解性(自然界に存在する微生物の働きでCO2と水に完全に分解される性質)が低いため,人間が焼却処分しない限りは分解されずに自然環境中に残存してしまいます。
また,水や紫外線によって細かくなった「マイクロプラスチック」は,回収が困難で,それを魚や貝がエサと間違えて食べてしまうと生態系が変化し,結果,それを食べる人にも影響を及ぼすことが心配されているのです。
レジ袋有料化は,こういった国際的な問題に起因しているのです。