私たちが社会活動をしていく上で,要求される能力に「コミュニケーション能力」が挙げられます。今日は,このコミュニケーションって何なのかを考えたいと思います。
そもそも「コミュニケーション」の意味は「伝達すること」です。
つまり相手に自分の考えを伝え,意思疎通を図る「自己表現力」がコミュニケーション能力といえるのでしょう。しかし,コミュニケーションは一方的な発信だけでは成立しません。相手がそれを理解して受け取ることでコミュニケーションは成立します。
ですから,相手の話を「聴く力」も必要になります。そして,その2つの間にはお互いの「協調性」があることが前提ですから,これもコミュニケーション能力と言っていいでしょう。
「自己表現力」や「聴く力」や「協調性」は,対人関係を円滑に行うためのスキルで,例えば,企業が求めるコミュニケーション能力には折衝能力や説得能力なども数えられますね。
では,自分の考えや気持ちを伝える自己表現力とは何でしょうか。
情報伝達として,メールやSNSの文字でも内容は伝わるでしょう。しかし,それは書かれた文字を単に相手が理解しただけのことだと思います。「伝える」という行為以上に,「共有」することこそが,コミュニケーションだと思います。
そのためには,言葉巧みな言い回しよりも,心の在りようを伝えること,どれだけ言葉に自分の思いを乗せて語れるか,そして,相手がそんな自分を受け入れてくれる関係となっているかが自己表現力とコミュニケーションの鍵ではないでしょうか。
言葉に潜む思いを受け取り,共感をもつことがコミュニケーションの一歩であり,それができる人は,言葉を発した人を信頼して言葉の意味を読み取れる人だけです。
相手にとって信頼しうる自分であるために,偽りのない自分になることが大切だと思います。