12月11日(金) 臨時国会を終えて2

昨日は,菅総理の記者会見から,コロナ感染拡大への対応とワクチン確保について話ました。今日はその続きです。

 

総理は「わが国に必要なものは,ポストコロナにおける成長の源泉です。その軸となるのが,グリーンとデジタルである」と述べています。

グリーンとは,OECD経済協力開発機構が公表した成長戦略「グリーン成長」のことで,経済的な成長を実現しながら私たちの暮らしを支えている自然資源と自然環境の恵みを受け続けるために,環境問題への投資や技術の革新,新しい市場の創造が必要です。

 

そのために,総理は2050年までに,温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」,脱炭素社会の実現を目指すことを宣言しています。

日本はこの分野では,先進国から後れを取っていて,この目標が本当に実現できるか怪しいのですが,「過去に例のない2兆円の基金を創設し,野心的なイノベーションに挑戦する企業を今後10年間,継続して支援する」と発表しました。

 

また,デジタルについては,「マイナンバーカード」や首相直轄の組織とする「デジタル庁」のことに言及しました。デジタル化の進み具合も世界から後れを取っているのが現状です。

 

普及率の悪いマイナンバーカードですが,注目したいのは「カードと保険証の一体化を来年3月にスタートし,5年後までには運転免許証との一体により,更新時の講習や書類の提出がオンラインでできるようにする」という点です。また,次世代技術で世界をリードできるよう研究開発を行い,これらの対策に1兆円を超える規模を確保すると述べています。

 

デジタル庁設置については,「デジタル化の司令塔となるデジタル庁は来年秋の始動を目指している」とのことです。情報システムを一元化し,各省庁に対して勧告,是正ができる強い権限を持たせるそうです。

 

記者会見では,他にも外交・安全保障,東京オリンピック,不妊治療の保険適用,携帯電話料金値下げなどの話がありましたが,最後に菅総理は,「国民のために働く内閣として全力で取り組んでまいります」という言葉で結びました。