皆さん,愛知県が昨日から国の緊急事態宣言から解除されたことは知っていますよね。
しかし,3月1日からの2週間,県独自の厳重警戒宣言を出して,飲食店の営業時間は午後9時まで,イベント入場者の上限は1万人までとして,不要不急の外出の自粛を引き続き呼び掛けています。油断は禁物,コロナを意識した生活を心がけてください。
ところで,明日は3月3日,ひな祭りとか,桃の節句とか言われていますが,これは中国から平安時代に伝わった五節句のひとつ「上巳(じょうし)の節句」が起源です。上巳とは3月の最初の巳(み)の日を指します。この日に川で身を清め,穢れを祓う習慣がありました。
日本では,すでに奈良時代から草や藁で作った人形(ひとがた)で自分の体を撫でて穢れを移し,それを川に流すことで厄払いを行う風習があったそうです。また,平安時代に貴族の女の子の間で,紙の人形を使った「雛(ひいな)遊び」というままごとのような遊びが流行りました。
このような「上巳の節句」や「厄払いの風習」「雛遊び」が結びついたことが,ひな祭りの由来と言われています。江戸時代になると「上巳の節句」を3月3日に定めて,雛人形を飾るようになったことから,女の子の節句となったそうです。
元々は男女の別がなく,厄払いの日だった「上巳の節句」は,お雛様に女の子の穢れを移し,厄災を身代りさせる日になり,今では,女の子の健やかな成長や幸せを願う日となったんですね。ちなみに桃の花を飾るのも,桃は魔除けの効果があると信じられていたからです。
また,ひな祭りには,ちらし寿司や蛤のお吸い物,菱餅などを用意しますね。それぞれが縁起物なんですが,蛤は上と下の貝殻が対になって,他の貝殻とは合わないことから,「素敵なひとりの男性と一生仲良くすごせますように」という願いが込められています。
菱餅は,白・緑・赤(ピンク)の3色が重ねてありますが,白は清浄を意味していて,純白の雪を表しています。緑は厄除けで健康を意味し,新緑の芽吹きを,赤は魔除けで桃の花をイメージしたものです。
こんな風習に併せて,明日は卒業式が行われます。卒業生の皆さんの歩みが,幸せな時間とともにあることを願います。