大統領選挙の仕組みは2段階に分かれています。昨日,紹介したように各党が党員集会や予備選挙を経て全国党大会で最終的にひとりの候補を指名するプロセス。もうひとつは,党の候補者たちが大統領と副大統領をセットにして,その座をかけて争う本選挙です。
候補者たちは,3回の公開テレビ討論会の他に,テレビ広告やSNSなどを使って選挙戦を展開して,投票日を迎えることになります。投票日は,連邦法で「11月の第1月曜日の翌日の火曜日」と定められていて,今回の大統領選は11月3日です。
選挙ですから,有権者の投票で大統領が決まるのですが,一番多く票を得た候補が勝つわけではありません。州の人口ごとに割り当てられた「選挙人」という人たちがいて,より多くの「選挙人」を獲得した候補者が本選挙に勝利することになるのです。
この「選挙人」は,一番多い州がカリフォルニア州で55人というように,アメリカ全土で538人いますので,当選に必要な数は270人。有権者が投じた票は州ごとに集計され,最も得票数が多かった候補者がその州の「選挙人」をすべて獲得するという仕組みです。
こうした勝者総取り方式は,メイン州とネブラスカ州を除くすべての州が採用しています。その後,選ばれた「選挙人」は有権者の民意に従い,「12月の第2水曜日の後の最初の月曜日」に改めて投票をおこないます。
このようにして大統領が決まっていくため,政党の支持基盤がはっきりしていない州(swing state)でいかに票を得るか,が選挙結果を左右します。特に「選挙人」が29人と多いフロリダ州や18人のオハイオ州は激戦州といわれ,候補者たちはよりウェイトをおいた選挙活動が必要となります。オハイオ州で勝った候補者は1964年以降,すべて大統領に当選していることから「オハイオを制する者は全米を制す」という言葉があるそうですよ。
さて,今日で試験も終了。この後,文化祭・体育祭と続きます。やってよかったなと思えるように取り組んでくださいね。