1月19日(火)お餅

 今日は,お餅の話をしましょう。日本では,古くから正月などのお祝いの日には欠かせない食材となっていますね。一般的には,もち米をついて作りますが,町中の家庭で餅つきをすることは,ほとんどなくなり,子供会とかの行事に杵と臼を使って餅つきの風景を見る程度になりました。また,スーパーなどで一年中売っているので,特別な日の食べ物というものでもなくなってきていますが,それでもおめでたい日には,お餅を配ったり食べたりする風習が日本には残っています。

 

 これは,日本の農耕文化のひとつで,大昔,米は果皮を叩いて取り除き,粉状にしてから水で練って食べていたと言われています。この食べ方が餅という食べ物の由来と考えられます。

 

 もち米をついた後に,形を整えて保存しますが,その形には地方によって違いがあります。

 ついた後の餅を板状にした「伸し餅(のしもち)」を切り分けた「角餅(かくもち)」と,ついた餅を円盤状に丸めた「丸餅」があるのですが,関西では「円満」を意味する丸餅,関東では一度に多く作れる角餅が使われています。この境界線は,岐阜の関ヶ原あたりだそうで,岐阜県や福井県・石川県などはどちらも使うようです。

 

 ちなみに,皆さんの家では,お正月によく食べるお雑煮に入れるお餅は焼きますか,焼かずにそのまま煮ますか?これにも違いがあって,丸餅は焼かずにそのまま煮て,角餅は焼くことが多いそうです。愛知では焼きませんよね。それは,餅の色は白いので餅を「お城」に例え,「城を焼いてはならない」と煮て食べるようになったとか。

 まぁ,お雑煮は入れる具材も家庭によって違うから,「おふくろの味」といったところでしょうか。

 

 ところで,残ったお餅の保存方法で一番簡単なのは,冷凍保存ですが,ついたお餅なら空気に触れてカビないようにすることです。

 昔は大きめのボールに水を入れて,その中にお餅を浸して,保存していたというか,おいてありました。勿論,水は毎日取り換えるのですが,こんなお餅を水餅と呼んでいます。

 小さかった頃,板に乗って届いた大きく平べったい,お正月は毎日食べさせられていた,食べきれなくて水の中にしまった,懐かしい記憶をたどるときがあります。