2月17日(水)日本1

 今日は,知っているようで知らない日本のこと,まずは日本神話のことを話してみたいと思います。

 遠い遠い昔,まだ世界に何もなかった頃,天界にひとり,またひとりと神様が生まれました。この頃の神様は「独神(ひとりがみ)」と呼ばれる性別のない神様でしたが,やがて,男女のペアの神様が生まれます。その末っ子がイザナギとイザナミです。イザナギが男で,イザナミが女ですね。

 

 最初に生まれた神様ミナカヌシは人を地上に降ろし,国造りを命じました。イザナギは授かった矛を海に刺しかき回すと小さな島ができました。そこに神殿を作り,2人は結婚しました。やがて,イザナミは身ごもり,次々と島が生まれ,日本の形ができていったのです。島を生み終えた2人は,続いて神々を産むことにしました。

 そして,火の神であるヒノカグツチを産んだ時,イザナミが大火傷を負って死んでしまいます。

 この後,死んだイザナミを連れ戻すためにイザナギが黄泉の国に行く物語が続きます。

 

 黄泉の国から脱出したイザナギが身を清めると,あの有名なアマテラスとツクヨミとスサノオが生まれました。ここから,イザナギとイザナミの物語は幕を閉じ,アマテラスとスサノオの話になっていきます。

 太陽神アマテラスはイザナギに言われて天界を治めるのですが,乱暴者のスサノオが問題を起こし,それを悲観したアマテラスは岩のくぼみに隠れてしまいます。これが天岩屋戸(あまのいわやど)事件です。

 

 罰として天界から追放されたスサノオは,地上でヤマタノオロチの生贄になる娘に出会い,一目惚れして,オロチ退治を行います。退治に成功したスサノオは娘と結ばれるのですが,話はまだまだ続きます。スサノオの子孫にあたるオオナムチの物語です。

 

 因幡の白兎を助けたのが,このオオナムチです。この一件で異母兄弟から命を狙われたオオナムチは,スサノオに助けを求めることになりました。スサノオは神様ですから生きている設定なんですね。オオナムチはそこで,スサノオの娘と恋に落ちます。スサノオから与えられた試練を乗り越え,オオナムチは娘を連れ出し逃げることに成功,見どころがあるとスサノオからオオクニヌシの名を貰うのでした。

 

 その後,色々な神の力を借りて,国造りを進めるのですが,アマテラスが地上は天界の天つ神(あまつかみ)が治めるべきだと言い出します。

 アマテラスは地上に最強の刺客を送り込み,オオクニヌシは国を譲ることになったのです。地上の統治を任されたアマテラスの孫ニニギは,その地で山の神の娘との間に子をもうけました。そのうちのひとりは山幸彦と呼ばれ,色々あって海の神の娘と結ばれ,アエズが生まれます。太陽の神,山の神,海の神の血を受け継いだアエズが結婚して生まれてきたひとりが,後の初代天皇,神武天皇となるのでした。

 

 ちょっと長くなってしまいましたが,日本最古の歴史書とされる古事記に記された神話です。

 登場する神々は個性的で,西洋の神とは違う人間臭さに魅力を感じます。

 端折ってあらすじの紹介になってしまいましたが,興味が湧いたら読んでみてください。